ステップ1 ― まず大原則を押さえる
- 経費にできるのは「収入を得るために直接必要」と説明できる支出だけ(所得税法37条/法人税法22条)。
- したがって、日常の食費は生活費=経費不可。逆に、
- 取引先やスタッフとの打合せとしての飲食(会議費・交際費)bring-consulting.co.jpsogyotecho.jp
- レビュー動画・グルメ投稿などコンテンツそのものとして使う飲食attribution.jp
は「業務関連」として認められる余地があります。
ステップ2 ― 食事代を3つに分類して考える
区分 | 例 | 経費性 | メモ |
---|---|---|---|
① 会議費・交際費 | 企画会議のランチ、取材後の打合せカフェ | 〇(要記録) | 1人あたり1万円以下なら交際費から除外(2024.4改正)www.nta.go.jp |
② コンテンツ制作費 | レストランをレビューして投稿・収益化 | 〇(高い証拠力要) | 領収書+投稿URL+シナリオ保存 |
③ 私的飲食 | 友人や家族との外食、仕事と無関係 | ✕ | 趣味・生活費と判断されやすいsogyotecho.jp |
ステップ3 ― 税務署に示すべき証拠
- 領収書(日付・店名・金額)
- メモ(参加者・目的・話題)
- 投稿のスクリーンショットやURL(公開日時・閲覧数)
- 企画書/台本(この店を選んだ理由)
- 保存期間:最長7年(青色申告の場合)
ステップ4 ― 5人の立場でディスカッション
立場 | 主張・懸念 | 具体的アドバイス |
---|---|---|
A 法律家 | 「法律上は“収益との因果関係”が鍵。②や①は文書と客観的証拠さえあれば必要経費になり得る。ただしプライベート混在は按分や否認リスク」 | |
B 調査官 | 「写真1枚載せただけでは“仕事目的”と判断しにくい。 ①なら5W1Hを明記、②なら投稿が実際に再生・広告収入につながっているか数字で示してほしい。毎日のような高額グルメ投稿は私的消費とみる」 | |
C 経営者 | 「節税も大事だが炎上・否認はもっと痛い。 ★案件レビュー、★新メニュー比較など“企画の見える化”で100%仕事と説明できる食事だけ使おう」 | |
D 担当者 | 「運用ルールを作りましょう」 1) レシート裏に目的・同行者を即メモ 2) 投稿URLをスプレッドシートに貼付 3) 月次で①②③別フォルダへ保存 | |
E 税理士(中立) | 「“SNSに上げた=自動的に経費”ではありません。①②を満たすかを一件ずつ判定し、証拠セットで保存してください。特に個人事業主は生活費との線引きが厳しい。迷ったら按分や経費計上を見送り安全策を」 |
ステップ5 ― 実践チェックリスト(E税理士まとめ)
- 企画と収益の関係を書面化
- 1人あたり1万円超の会食は「交際費50%損金不算入」ルールを忘れず(法人の場合)www.nta.go.jp
- 家族・恋人との食事は基本NG
- 証拠(領収書+投稿)をセットでクラウド保存
- 税務調査を想定して3年後も説明できる仕組みを
結論
- 「撮って投稿すれば必ず経費」ではなく、
①打合せ・取材の場や ②コンテンツ制作の核心となる飲食に限定し、
客観的証拠を整えれば経費化は可能です。 - 一方、日常的・私的な食事は否認される確率が高いため、投稿だけで正当化は不可。
- 立場の違いを踏まえ、常に「誰が見ても仕事の必要経費」と説明できるかを問い続けましょう。